自分がされて嫌なことは、他人にとっても嫌なこと
ってことは、
自分がされて嬉しいことは、他人もされて嬉しいこと
ってこと?
これは、半分正解で、半分不正解だと気付いたのです。
今回は、そんなお話です。
15年前の苦い経験、ありがた迷惑な話し
かれこれ15年くらい前の話になります。
私は小さなカーテン屋さんでアルバイトをしていたした。
ちょうど北欧ブームが日本に押し寄せてきたころのお話です。
国内外から取り寄せた上質な生地を使って、オーダーカーテンを受注するのがメインのお店。
カーテンの外にもカーテン生地を使ったファブリックボードや北欧雑貨なども販売していました。
絵を飾る代わりにおしゃれな布を飾ろう
なんて洒落たキャッチフレーズの助けもあってか、ファブリックボードはお店の売れ筋商品でもありました。
アルバイトを始めて数カ月たった頃、人員が増加され私は先輩になりました。
数か月であってもお店のことについては私の方が詳しいので、色々と商品知識やオーダーのとり方などを教えることになりました。
彼女はとてもまじめな女性でした。
デザイン学校を卒業していたという事もあり、私よりも美術や芸術の知識が豊富で、いわゆる「感度の高い女性」だったと記憶しています。
彼女が私のことをどう思っていたかは今だに不明ですが、少なくとも私は
彼女との関係は上手く言っている
と思っていたのです。
しかし、ある時事件は勃発したのです。
あるお客さんがファブリックボードについて彼女に声を掛けてきました。
彼女にとってはこれが初めてのファブリックボードの接客。
彼女の緊張の糸がお店の中に一瞬で張り巡らされたように感じました。
私はとっさに、
助けなければ!
と思ったのです。
ですが、
それが大失敗の始まりだったのです!
彼女が泣いた理由、お節介はホドホドに…
お客様は、私たち二人の接客に満足したのかファブリックボードに満足したのか、その両方だったのか分かりませんが、
とにかくファブリックボードをオーダーした後、満足げにお店を後にしました。
ちょっと、トイレに行ってきます。
彼女が言いました。
はい、行ってらっしゃい!
と、私。
彼女の異変に微塵も気づいていなかった私は、笑顔で彼女を送り出しました。
トイレはお店から30mほど離れたカーテン屋さんの本店にありました。
そこでは本店の立ち上げから働いている職歴も年齢も一回りくらい上の先輩が一人で店番をしていました。
その先輩はとても良い方で、お店を閉めた後2人で飲みに行くほどの仲でした。
その先輩に後から聞いた話だと、
彼女は泣きながらトイレに駆け込んだと…。
その日の帰りに先輩とご飯を食べながら、彼女が泣いた理由についてあーでもないこーでもないと先輩と話し続けました。
そして、きっとたどたどしくても1人で接客をしてオーダーを取りたかったんじゃないかと言うところで私と先輩の推測は着地しました。
おそらく、私が彼女を助けようとしてとった行動は
ありがた迷惑
だったのです。
帰り道、猛烈に反省した私は彼女に謝罪のメールを送り、ひとまずこの事件は落着したのでした。
受け取り方によって、物事の意味は変わる
この時の衝撃は15年たった今でも私の頭から記憶が出ていくことはありません。
自分がされて嬉しいことを、他人が喜んでくれるとは限らない
身をもって経験した、苦い思い出の一つです。
幼い頃から、
自分がされて嫌なことは、お友達にもしてはいけません
とか
自分がされて嬉しいことを、お友達にもしてあげましょう
とか
先生や親に言われて育ってきた記憶がありませんか?
でもこれって、半分正解で、半分間違い、なのかも知れません。
良かれと思ってしたことが裏目に出た、という経験は誰にでもあるはず。
考えすぎると、何も行動できなくなってしまうかも知れないけれど
それでも、
自分の常識は、他人の非常識かも知れない
と常に心に留めておくことはとても大切なことだと思うのです。
だって、私はあなたではないし、あなたは私ではない、のですから。
そんな事を思った、12月の朝でした。
繊細さわこのひとりごと
おせっかい できれば、中年仲間入り?
~さわこのなんちゃって川柳~
おせっかいとは、時に煙たがられ、時に感謝されるもの。人付き合いは、考えれば考えるほど難しくなります。特にHSP(繊細さん)の私にとっては…。40代に入り、少しずつ自分の空気感と合う人かどうか嗅ぎ分けられるようになった気がします。クンクン、クンクン、匂いを嗅ぎながら生きています。