私たちは8歳の年の差夫婦です。
我が家では、夫が65歳から年金をもらい始める計画です。
その時私は57歳。
私が65歳になるまで「加給年金」なるものを貰えるようです。
加給年金なんて知らない?
あなたが年下妻だったら知っておいて損はありません。
今回は、少しでも年金額をアップさせるために、お得な「加給年金」のお話です。
加給年金とは
加給年金とは何でしょう。
日本年金機構のHPで以下のように説明されています。
厚生年金保険の被保険者期間が20年(※1)以上ある方が、65歳到達時点(または定額部分支給開始年齢に到達した時点)で、その方に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されます。
65歳到達後(または定額部分支給開始年齢に到達した後)、被保険者期間が20年(※1)以上となった場合は、退職改定時に生計を維持されている下記の配偶者または子がいるときに加算されます。
加給年金額加算のためには、届出が必要です。
~日本年金機構より~
うーん、なかなか読みにくいですね(-_-;)。
要は、夫が20年以上厚生年金を収めている場合、ある一定の条件を満たせば妻が65歳になるまで追加で貰える年金がありますよ。
という事が書かれています。
あなたが年下妻で専業主婦やパート主婦(ご主人に扶養されている状態)の場合、またはあなたのお子さんが障害を持っている場合、貰える可能性が高いので知っておいた方がお得です。
昭和18年4月2日以降に生まれた方の支給額は、なんと年間39万円!
諸条件によって支給額が変わってくるので、詳しくは、日本年金機構のHPをご覧ください。
我が家の場合、夫が65歳から年金受給を開始すれば、加給年金の対象期間は私が65歳になるまでの8年間
39万円×8年間=312万円
も支給額が増えます。
ただし、この加給年金は「届け出」をしないと貰えないという曲者。
存在を知らないがゆえに、貰えるはずのものが貰えないなんてことのないようにしておかないといけませんね。
加給年金と繰り下げ受給、あなたならどっち?
この加給年金、大きな注意点が一つあります。
ご主人が年金の繰り下げ受給をしたらその間は加給年金は貰えない。
という事です。
年金は通常65歳から受給することができますが、受給開始年齢を遅らせることで受給額を増やすことができます。
これを、「繰り下げ受給」と言います。
1か月遅らせるごとに0.7%ずつ支給額が増えます。
65歳から70歳に受給開始を変更する(5年遅らせる)と、
0.7%×12か月×5年=42%
実に42%も年金額が増えるのです。
もしご主人の年金額が年額200万円だった場合、70歳から受給開始をすれば
200万円×1.42=284万円
年額284万円まで増える計算になります。
もちろん、遅らせた5年間の年金受給はないので、トータルで考えたときの年金総受給額が増えるかどうかは分かりません。
70歳から年金を受給した場合の損益分岐点は81歳10か月だそうです。
それより早く死んでしまったら、損という事ですね。
まあ、死んでしまったら「損したなあ!」と思うこともできないですけど(笑)。
年金からも税金や社会保険料が引かれるので厳密には1.42倍よりは少なくなりますが、それでも1.42倍のインパクトは大きいですよね。
さて、繰り下げ受給をするのか、繰り下げない代わりに加給年金をもらうのか、迷いますね…。
①繰り下げ受給によって増える年金額
②加給年金によってもらえる年金額
③自分たちがどれくらい長生きするか(これが一番難しい…)
この3つを天秤にかけて、最適解を見つけなければいけません。
そして、この3つは各家庭によって様々…。隣の家の話は参考にならんのです(-_-;)
繰り下げ受給も加給年金も両方したいという人は
さて、これまでの話を聞いて、あなたの家庭では何歳から年金をもらえばいいのか、答えは見つかりそうですか?
繰り下げ受給もしたいけど、加給年金も貰いたい!
と思ったあなた!
分かります、その気持ち(笑)
何としてでも「どちらも貰いたい」方には、奥の手があります。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給開始を別々にする方法です。
老齢厚生年金の繰り下げをすると、その間加給年金は受給はできません。
なので、加給年金をもらうために老齢厚生年金は65歳から受給開始をして、老齢基礎年金のみ繰り下げ受給をすればいいのです。
老齢基礎年金と老齢厚生年金、また面倒くさい用語が出てきましたね(-_-;)。
長くなりますので、この2つの年金を分けて受給する方法についてはまた別の機会にお話ししたいと思います。
いつから年金をもらい始めたらいいのか?
それは、それぞれの体力や老後資金、老後の生活に対する考え方によって変わってきます。
加給年金をもらう場合、老齢基礎年金だけを繰り下げる場合、老齢厚生年金も繰り下げる場合、色々な状況を想定してシミュレーションしてみるといいかも知れません。
色々なプランを並べてみると、自分にとっての「落としどころ」を見つけることができます。
そして、色んなプランを持っているというだけで、老後に対する不安も軽減されますよ。
世の中の変化に臨機応変に対応していくためにも、シミュレーションはとても大切。
面倒くさがらずに、やってみる価値はあると思います。
繊細さわこのひとりごと
年金は、長生きリスクに対する保険
長生きをしてしまった!「リスク」と言う言葉を使うのはなんだか悲しい気がします。でも、「年金は保険」と考えれば、繰り上げ・繰り下げ受給を検討する時の損得勘定が少し薄れるかも知れませんね。