HSP「Highly Sensitive Person(ハイリ―・センシティブ・パーソン)」という言葉を初めて耳にしたのは、今から1年ほど前のことです。
正確にはHSC「Highly Sensitive Child(ハイリ―・センシティブ・チャイルド)」という言葉を友人から教えてもらったのです。
1.HSPの定義
HSP/HSCとは
HSPとは、先天的に「周りの人に比べてとても感受性が豊かで敏感な気質を持った人」という意味です。
「Highly Sensitive Person(ハイリ―・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼ばれています。
子供がHSPの特徴を持つ場合HSC「Highly Sensitive Child(ハイリ―・センシティブ・チャイルド)」といいます。
HSPは聞いたことがないけれど「繊細さん」という言葉は耳にしたことがるという方も多いのではないでしょうか。
提唱したのは、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士です。
HSPは病気ではない
ここで、私が皆さんに伝えたいのは、HSPは「病気」ではないということです。
HSPは「気質」のひとつです。
「気質」は「性格」と少し似ています。「気質」とは先天的な特徴のことを意味し、「性格」とは先天的、あるいは後天的に備えた性質のことを意味しています。
この2つの言葉の違いは「後天的」という要素が入っているかどうかです。「気質」には後天的という要素が入っていないので、非HSPとして生まれたのに、途中でHSPになることはありません。
つまり、みなさんがオギャーとこの世に生を受けた時点で、すでにHSPか非HSPかは決まっているということです。
ちなみに「人格」とはより広義な意味を持つ「性格」のことです。日本語って難しいですね・・・。
HSPと非HSPの割合
では、世界にはどのくらいのHSP(繊細さん)がいるとおもいますか?
統計的には全体の約20%と言われています。
程度の違いはあるにせよ5人に1人はHSPということですね。
あなたの働く部署に、部長、課長、係長、あなた、新人の5人がいたらその内の1人はHSPの可能性が高いということです。
あなたのお子さんが通う幼稚園に100人の園児がいたら20人はHSCの子供たちということです。
2.HSPの特徴
全体の約20%がHSPということは、その他約80%が非HSPということですよね。
この約80%の人がHSPの性質に当てはまらないので、HSPの人たちの性質は他の共感を得ることが難しく、それが自己否定につながったり、また周りの人に合わせようとしてストレスを感じやすくなったりします。
HSPである私も子供の時から「私の思っていることはどうせ誰も理解してくれない。」と思ったり、「あの子はちょっと変わってる。」と言われて落ち込んだりした経験があります。
では、HSPの具体的な特性とはどういったものなのでしょうか。HSPの提唱者であるアーロン博士がまとめたのHSPの4大特性「DOES(ダズ)」についてみていきましょう。
1.D認知的処理の深さ(grater depth of information processing)
・相手が何を言いたいか、すぐに理解できる。例)「君は、私の言いたいことをすぐ理解してくれ助かるよ」と上司に言われる
・相手のウソがすぐわかる 例)お世辞を言う人が苦手
・将来の可能性についてすぐ想像する 例)付き合う前から恋人との破局、結婚、死別などを想像する
・生き方を語りたがる 例)心理学や哲学の話になると時間を忘れて話しこむ
2.刺激に対する圧倒されやすさ(greater ease of overstimulation)
・人混みや4人以上で集まるのが苦手 例)ママ友付き合いが面倒くさい
・少しのことで驚いたり傷ついたりする 例)レポートの誤字脱字を指摘されて落ち込む
・一人で過ごすのが好き 例)週末は誰とも会わずソファで好きな映画を見る
・本番に弱い 例)プレゼンの日の朝、おなかを壊す
・色んなことが一度に降りかかると混乱する 例)プロジェクトの同時進行が苦手
・芸術に触れるのを好む 例)映画や音楽、写真集などをついつい見たり買ったりする
3.情動的な反応性や共感性の高まりやすさ(increased emotional reactivity and empathy)
・他人からの影響を強く受ける 例)付き合う人間関係によって趣味が変わる
・感情移入しやすい 例)映画や本、残酷なニュースを見て涙を流す
・一目で相手の機嫌がわかる 例)朝礼で部下の調子をすぐに把握できる
・自己犠牲をしやすい 例)残業を買って出る
・共感力が強い 例)人が怒られていると自分も怒られているように感じる
4.些細な刺激に対する気づきやすさ(greater awareness of environmental subtleties)
・光や音に敏感である 例)時計の秒針の音が気になる
・匂いに敏感 例)タバコの匂いや体臭が気になる
・カフェインや添加物に敏感に反応する 例)カフェインレスやオーガニックが好き
・洋服の素材にこだわる 例)チクチクする洋服のタグやセーターは嫌い
・アレルギー体質である 例)花粉症やハウスダウストのアレルギーを持っている
・直観力に優れている 例)電話をとった瞬間に内容がわかる
3.あなたはHSPですか?
HSPの4大特徴を読んで、あなたはどの程度あてはまりましたか?
当てはまるような当てはまらないような・・・と思った方もいるかもしれません。HSPの特徴は人によって様々です。
強く出る人もいれば弱く出る人もいる。同じ特徴を持っていても、それをポジティブにとらえるかネガティブにとらえるかで見える世界は変わります。
私がHSPだと自覚したのはつい1年前のことです。
それまで40数年間、「私は少し変わってる性格(気質ではなく)」だと思っていたのです。
HSPを知ってから色んな本を読んだりネットで調べたりするうちに、まず自分の気質を受け入れることが大事だと気付きました。
人生100年時代の到来です。
平均寿命がまだ延びるのだとしたら、私はまだ折り返し地点にもたどり着けていない。
そんなまだまだ長く続く航海を、いい景色を見ながら爽やかにに進んでいきたいものです。
繊細さわこのひとりごと
『人生は旅だ。自分だけの地図を書こう。』 高橋歩~人生の地図より~
第2回目の投稿は、なんだか硬い文章になってしまいました(反省)。
作家になりきって、もっとつれづれ書きたいな・・・。